岩手県宮古沖から放流した発信機付き模擬ごみがオレゴン州に漂着

岩手県宮古沖から放流した発信機付き模擬ごみがオレゴン州に漂着

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本学では、東日本大震災による漂流ごみの移動経路把握に関する調査を現在進めています。その研究の一環として、2011年6月3日に岩手県宮古沖から放流したとみられる発信機付きの模擬ごみ(現在、型番号を確認中)が、1年9ヵ月後の本年3月18日(月)の時点で、米国オレゴン州Arch Capeの海岸に漂着しているとの情報を、現地の方より入手しました。
この模擬ごみは、宮古沖20㎞の地点から放流したものとみられ、その後東に向かって漂流し、放流場所から2,500kmの地点で電池寿命(約6か月)による通信途絶と思われることより、位置情報が不明だったものです。その沈下率(全体積の中で海中に沈んでいる比率)は35%であり、本学の国内漂着地での調査結果によると冷蔵庫、コンテナ、ホイール付きタイヤ、靴・サンダル、布団・座布団、一部のプラスチック製品などに相当します。
移動経路の追跡のために震災の3ヵ月後に放流した模擬ごみが漂着したことから、これらの沈下率に相当する震災起因の漂流物は、既に現地に漂着していることが推測されます。現地では大量に漂着したという事実が明確になっていませんが、これは①震災起因の漂着物であるかどうかの判断が現地ではできないものが多い、②漂流物は洋上で拡散されて広範囲に希釈される、③その多くが洋上に留まっていることから沿岸部への実際の漂着量は必ずしも多くはない、などの理由が考えられます。
なお、この事実は、環境省から2012年11月9日付で発表された「東日本大震災による洋上漂流物の漂流予測中間結果」(その内容は本年3月15日にNHK-BS放送にて「海をわたる"震災漂流物"第1部・第2部」として放映済)の内容の一部を裏付けるものであり、シミュレーション結果に基づく今後の漂着予測にも留意する必要があることを示すものと考えられます。
本学では、2011年10月、2012年1月、2013年1月にも東北地方の太平洋沖から発信機付き模擬ごみを放流して、移動経路把握のための調査を続けています。国内に漂着したものを除く計14台の模擬ごみ(電池寿命を改良:3年~5年)が現在も洋上を移動中であり、米大陸沿岸部またはハワイなどの島嶼域に漂着するのか、それとも漂流物の大半が集積して留まるという太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)に流れ着くのかを現在観測しております。いずれに向かったとしても、漂流物の性状によっては、劣化、微細化などによる環境や生物への影響も懸念されることから、今後、引き続き調査を進めてまいります。

* 現在、洋上を移動中の発信機付き模擬ごみは、こちらから移動経路をご覧いただけます。

岩手県宮古沖から放流した発信機付き模擬ごみがオレゴン州に漂着

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