芦津地区の森林で生物多様性調査が始まりました<持続的農林水産研究室>

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鳥取県智頭町芦津地区の森林での巣箱設置作業などについて( 調査担当者:環境マネジメント学科教授 小林 朋道 )

さる8月の20、21日、学生7人と、鳥取県智頭町芦津地区の森林の樹木に、鳥獣を対象にした巣箱をかける作業や、それに関係した調査を行ってきた。
芦津地区の広い森林の中に、谷川にそって、A 成熟自然林(約200年程経過)、B 未成熟自然林(約70年経過)、C スギ林(約30~70年経過)、の3種類の区画(約30m×100m)を決め、各区画内の12本の樹木に各々に3個の巣箱を設置していった。
1本の木に、3個というのは、地上から0.5m、3m、6mの3種類の高さに設置したということである(高さによって、利用する鳥獣の種類が異なるかもしれない)。

 

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A 成熟自然林(約200年程経過) B 未成熟自然林(約70年経過) C スギ林(約30~70年経過)

 

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巣箱を設置している作業中に上からパチリ 地上6mに設置された巣箱

 

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地上0.5mに設置された巣箱 巣箱を設置した樹木に
番号を記録しているAさん
地上3mに巣箱を設置しているNくん

 

目的は、各々の植生地で、巣箱を利用して繁殖する鳥や、巣箱を隠れ家や繁殖場所に利用する小型哺乳類の種類を明らかにすることであった。 これまで、植生の種類と、各植生地で目視や 鳴き声で存在が確認される鳥類との関係を調べる研究は多くあるが、 “繁殖”に絞った調査や、 小型哺乳類も視野に入れた調査は多くない。 それと、A、B、Cという3植生区画が、隣接している (つまり、植生以外の地理的な環境は3区画で等しい)というところが、 これまでの研究にはない興味深い点だと思っている。
今回は、20日の夕方、36本(12×3本)の樹木の、根元と地上0.5mのところにトラップを仕掛け、 翌朝、トラップに入っている哺乳類をチェックする調査も行った。

 

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樹木根元と0.5m高に置かれたトラップ 未成熟自然林のトラップに入っていたアカネズミ 成熟自然林でトラップにはいっていたヒメネズミ

 

巣箱を利用する鳥類・哺乳類の調査は、今始まったばかりであるが、今回はあくまで予備的な調査であり、今後の進捗状況を見ながら、巣箱の種類や数量、植生の種類を増やしていく等の改良を加えていく必要があると考えている。また、調査区域の、餌の種類や豊かさ等も含めた、植生の特性についての調査も必要だと考えている。
昼の休憩時には魚を釣ったり、水中に罠を仕掛けて魚を捕ったり、夜は谷川沿いの平地にテントを張り、バーベキューを行った(すぐ近くに、太陽光を利用するきれいなトイレもあった)。
森の中でハシゴを運んで巣箱を設置したり、樹木の直径や高さを記録したり、巣箱設置樹木の位置の平面図をつくったり等、作業は大変だったけれど、幸い、学生達は興味を持って作業・調査に、一所懸命取り組んでくれた。
私が今回のささやかな調査で喜んだことの一つは、A区画ではヒメネズミのみがトラップに入り、BとCの区画ではアカネズミのみがトラップに入ったことである。 それと、A区画の斜面でヒキガエルやアカハライモリの幼体(!)にであったこと(これらは学術的に興味深いこと)。これはなかなか面白くなりそうだ。

 

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きれいな谷川のそばで各自テント宿泊 朝は美味しいサンドイッチ! 魚釣りや罠や網を使った魚とり
(罠が大量でした)
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